フリマの収入は申告が必要?
税金って身近なものなのに、なんだか難しい
前回のブログから少し期間が空いてしまいました。
メルカリなどのフリマアプリで、手軽に不要なものを換金できる便利な時代。
ただし、何か収入があったときに絡んでくるのが税金。
そもそも私もこの仕事に就くまでは、恥ずかしながら税金のことは全く分かっていませんでした。
初めて税金を意識したのが、大学のときのアルバイト。
アルバイト先から扶養控除等申告書の提出を求められ「それって何??年末調整って??」と思いました。
結局よく分からず提出してしまいましたが、どこかで学ぶ機会もありませんでしたので、みなさん最初はそんな方が多いのかなと思います。
そもそも、納税は国民の三大義務なのにどうして学校で教えてもらえないんでしょう。
国税庁は租税教育として児童、生徒向け学習資料を提供したり税務署等から講師を派遣したり、日本税理士連合会でも『租税に関する教育その他知識の普及及び啓発のための活動』として会員(税理士)が各学校で租税教室を開いています。
ただ、日本税理士会連合会の租税教室の実績は平成30年の、例えば沖縄県の小学校で7回。
沖縄県の小学校といえば、離島も含めば公立だけで250校以上。
宝くじの当選確率よりは高いかもしれませんが、7回では全然足りません。
しかも1回で全学年すべて実施できているかも分かりませんし、たった1回の授業でどこまで伝えられるか。
私も小学校から高校まで(大学は経済学部ながら、3回生くらいからは法学部の講義にお邪魔して自分で税法を受講していましたが)、残念ながら一度も租税教室に当選(?)しませんでした。
確かに税金の制度はややこしいです。ですが、税金の意義や大まかな仕組みくらいは小学生でも分かるのではないかと思います。
細かい部分はむしろ、税法は毎年改正されるのでそのとき単発で覚えてもどうせすぐに変わります。
それを職業にする税理士なら常に改正を勉強して把握しておかなければいけませんが、租税教室では大まかな仕組みでいいんです。
そのサポートができるなら、私も喜んでお手伝いができればと思います。
日本は、国の税金は申告納税制度といって「 納税者の一人一人が、自ら税務署へ所得等の申告を行うことにより税額が確定し、この確定した税額を自ら納付する制度」を採用しています。
「一人一人」が「自ら」なんです。(難しい内容のものに関しては、我々税金のプロである税理士がサポートいたしますのでご安心ください。)
ならば、義務教育のカリキュラムの中に税金の授業を組み込んでも良さそうな気もしますけどねぇ。
ただ、申告納税制度とはいえ、お勤めの方に関しては会社が年末に年末調整をして社員(アルバイトも含め)みなさんの毎月天引き所得税を精算してくれるので、自分で税金を計算する必要がありません。
海外ではお勤めの方も自分で所得税を計算して確定申告をしなければならない国もあるので、日本はその点ラクではありますが、納税意識は薄れますよね。
知らない間に納税が終わっているのです。
なので、仕事の他に何か収入があったときも、「納税しなければ!」という意識に結びつかないのは当然といえば当然ですよね。
フリマの収入にも税金がかかる?
フリマの収入とはいえ、販売を定期的・継続的に行っていて、それが営利目的(例えば、不要品の売却ではなく転売目的で仕入れたものを売却する等)と認められれば事業所得または雑所得として申告対象になります。
営利目的かどうかは具体的な頻度や金額の基準がありませんので、客観的に判断されます。
ただし、所得税では、お勤めの方が給与の他に収入がある場合、その所得(収入から経費を引いた儲けの部分)が20万円以下であればその収入を申告しなくていい(確定申告をしなくていもいい)というルールがあります。
簡単に書きましたが、このルールは他にも細かい要件がありますので、ご確認くださいね。
ちなみに、住民税にはこのルールはありませんので、1円でもちゃんと給与と合算して申告しなければいけません。
さらに、その前にまず大前提として、生活用動産の譲渡による所得は課税されません。
生活用動産とは家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産と規定されています。
つまり、フリマで売ったものが法令に定義されている「生活用動産」に該当するものなら税金はかかりません。(非課税)
先ほどの住民税のお話も、そもそも生活用動産に該当するものは非課税です。
ですので、整理すると
① 生活用動産に該当する?
そして、その生活用動産は転売目的で仕入れたものではない?
→どちらも○なら基本は非課税ですが、下記②③④も併せてチェックしてください。
→いずれか1つでも×なら申告対象になり、合計が20万円超の所得なら確定申告が必要です。(転売目的なら雑所得または事業所得、そうでないなら総合課税の譲渡所得です。)
② ①のうち、貴金属や宝石、書画、骨とうなどの場合は1個又は1組の価額が30万円以下?
つまり、貴金属や宝石、書画、骨とうは生活用動産と認められますが、30万円を超える高価なものの場合は申告対象ということです。
→○なら非課税です。
→×なら申告対象になり、合計が20万円超の所得なら確定申告が必要です。
③ ①のうち、通勤用(または、通勤用でなくとも買い物や子供の送迎など日常の生活に必要な)の自動車は高級車ではない?
高級車かどうかの判断は金額や車種などの規定がないため、状況に応じての判断になると思います。
→○なら非課税です。
→×なら申告対象になり、合計が20万円超の所得なら確定申告が必要です。
④ ①のうち、本人は生活用動産と認識しているが趣味性の高いものではない?
例えば楽器やフィギュアなど、生活用動産かどうかの明確な基準はなく、状況に応じての判断になると思います。
→○なら非課税です。
→×なら申告対象になり、合計が20万円超の所得なら確定申告が必要です。
たぶん迷うとしたら④の生活用動産かどうか、だと思います。
ただし、生活用動産ではないということで、もしくは30万円超の貴金属等、高級な車など申告対象となった場合でも、要は利益(物によっては減価償却費も経費になります)がそれほど出ていなければ、他にどれだけ所得があるかにもよりますが、所得税がかからないもあります。
逆に、経費が収入金額(販売額)を超えてしまって損が出ている物がある場合は、給与など他の所得から引くことはできませんが、利益が出ている他の販売物品から引くことができます。(ただし、転売目的の場合だけは雑所得または事業所得になるため、事業所得なら給与など他の所得から引くこともできます。)
また、上記判定で非課税とされた物に関しては利益を認識しない代わりに損も認識されず、なかったことにされてしまいます。
ちなみにこの写真の私のバイオリンは価格だけで考えると生活用動産と認められても問題ないような気がしますが、主人のバイオリンはちょっと判断が変わってくるのかなとも思います(笑)
ところで、前回のブログで書きました勘違いして購入してしまった物、試しにフリマアプリで出品してみました♪
手数料は10%だそうですが、実際に買い手がつくか楽しみです。
ちなみに買い手がついたとしても、収入金額<購入価格なので、手数料や配送料を入れるとますますマイナスです(笑)