空き家に伴う税金と対策
帰省時、庭のブロック塀で遊ぶ息子です。
空き家が増えてますよね
今日、予約していた美容院に行ってきました。
いつも担当してくださる方が「空き家が増えてますよね。うちの母方の祖父母の家も父方の祖父母の家もいずれ誰も住まなくなっちゃうんですよね」とおっしゃっていて。
なので職業柄、空き家に関係する税金のプチ情報をお伝えしながら、ブログのネタにしようと頭の中で考えていました(笑)
私の実家は祖父母と同居なので両親の世代までは住み手がいますが、それ以降は空き家になる予定です。
既に空き家のものを相続した場合
既に空き家のものを相続した場合には相続税の計算上、小規模宅地等の優遇はありません。
さらに、その空き家を相続された方は今後、その空き家の敷地と家屋にそれぞれ固定資産税がかかってきます。
通常の空き家であれば、土地の200㎡までは1/6(都市計画税は1/3)に減額、それを超える面積は1/3(都市計画税は2/3)に減額されます。
ただ、2016年施行の空家対策特別措置法により、下記のような空き家は特定空き家として指定されてしまい、放置できなくなりました。
①古くなり破損している建物、門や看板、屋根瓦など倒壊のおそれがある建物など
②ゴミや汚物の放置による異臭がある、異臭により害獣が発生、繁殖するなどして衛生上有害となるおそれがある建物など
③落書きやツタ、立木の繁殖、ゴミ等が放置され景観を損なっている状態。周辺との景観が著しく不調和である状態
④立木の散乱や倒壊、動物が住み着くことでの鳴き声や糞尿の臭気、雪落の危険性、不審者の侵入など、近隣住民の生活に危険や悪影響を与えている状態
つまり、一言で言うと「ちょっと迷惑な空き家」でしょうか。
特定空き家として指定されてしまうと、指定の翌年から土地の固定資産税は上記の1/6や1/3に減額されなくなってしまいます。
さらに、自治体から特定空き家を修繕や処分するように勧告されます。
こうなった場合は、自治体による特定空き家の解体費用補助や地域利用のためのリフォーム費用補助がある場合があるようですので、問い合わせてみましょう。
そうすることで前者は更地になり土地の固定資産税のみ(減額はなくなりますが、空き家に係る固定資産税はなくなります)、後者は民泊やシェアハウスや貸店舗等として生まれ変わり、土地と家屋の固定資産税はどちらも上がります(土地は減額がなくなることにより、家屋はリフォームして価値が上がることにより)が、収益物件なので固定資産税は経費にできます。
ただし、上記のような対策をせず勧告を無視し続けていると、最終的には強制的に解体撤去され、もちろんかかった費用も請求されます。
ですので、特定空き家に指定された場合は何らかのアクションが必要になります。
被相続人が亡くなったことで空き家になってしまった家を相続した場合
相続人が条件を満たせば、相続税の計算上、小規模宅地等の特例が使えて相続税が安くなります。
ただし、その相続した家が空き家となった場合、上記のように特定空き家に指定されてしまったときは対策が必要です。
もし売却をするのなら、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用できれば譲渡益から3,000万円を控除して税金を計算できます。
その適用要件は、相続日から起算して3年を経過する日を含む年の12月31日まで(3年間+α)の間に売却すること等です。
また、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」というものもあり、これは先程の3,000万円の特例とは要件が異なり、どんな用途の土地、家屋などを相続した場合にも(もちろん、上記の「既に空き家のものを相続した場合」のケースも)使えるのですが、そもそも相続税がかかっていない人は使えません。
そして適用要件ですが、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで(約3年10ヶ月間)の売却ということで、3,000万円の特例と期間が若干異なり、それ以外の要件も異なります。
つまり、共通することは「相続があったら、いずれ売却ではなく早めに検討を」ということですね。
これらの特例は選択適用なので、もしいずれも適用要件を満たす場合はどちらが有利になりそうか税理士に尋ねてみましょう。
私の実家が空き家になる頃には税法もまた変わっているのでしょうね。
日々勉強です。
実家の中庭で何やら一生懸命、訳の分からないことをしている息子です。