相続税ってうちもかかるの?
と、疑問に思われている方もいらっしゃると思います。
実際、2015年1月に基礎控除額が縮小されたことで、相続税がかかる方が4~5%から約2倍の8%超へと増加しています。
この数字だけ見ると低い気もしますが、この数字の他にも「申告要件のある特例を適用すれば税額をゼロにできる方」がいらっしゃいます。
つまり、「『この特例を使います』という相続税の申告書を提出して初めて相続税がかからない方」です。
ですので、実際に相続税の申告書を提出されている方は8%よりもっと多いです。
相続税についてのお尋ねはどうして届く?
実家です。築40年以上!のどかな田舎です。
昨年12月、実家の祖父(私が家を出るまでずっと一緒に暮らしていました)が亡くなりました。
それから約6ヶ月後の昨日、管轄の税務署から実家に「相続税についてのお尋ね」の封書が届いたそうです。
上記の通り、被相続人が亡くなった場合に相続人(財産を受け継ぐ人)がみなさん相続税の申告が必要とは限りません。
相続税がかかるかからないは、税務署ですら実際に調査してみないと分かりません。
それなのにどうしてお尋ねが来るのか。
まず、被相続人が亡くなった場合には市町村に死亡届を出しますが、その情報が税務署に伝わり、死亡日が把握されます。
そして、税務署は被相続人の生前の確定申告や3年以内の贈与税の申告(贈与者としての情報)、登記情報などから被相続人のだいたいの財産を把握します。
その結果、「もしかしたら相続税がかかるんじゃないですか?」ということで、事前にお知らせしてくれているのです。
確かに、急に税務署から何かが届いたらドキっとしてしまいますよね。
でも私は、例えば旅先で不慣れな道を運転するレンタカーのドライバー。
標識や道路標示を見落としてバス専用レーンを走ってしまったなど、違反を犯してしまったときに、警官が待ち構えていて(って、こんな表現よくないのですが)違反切符を切られて罰金。
もちろん、全国(全世界)どこであれ、規則を守ることが人の命の安全のために大事だということは重々承知していますし、違反を犯した場合に言い訳なんて通用しません。
ですが、相続税のお尋ねのように「あらかじめ」違反しやすい場所の前で待ち構えて違反を犯さないように注意してくれる、ということがあってもいいんじゃないかなぁと思ってしまいます。
一度、現行のやり方とあらかじめ注意してくれる方法とでどれほど事故率が変わるのか、社会実験をしてもらいたいな、なんて思います。
実際は他のいろんな要素が関わってくるので純粋な比較は難しいでしょうけど。
と、話はそれましたが、相続税のお尋ねの場合は申告期限までにあらかじめ届くところが逆に親切かなと個人的に思っています。
お尋ねが届いたらどうする?
うちの実家の場合のように、お尋ねは死亡日から6ヶ月くらいから届きます。
相続税の申告期限は死亡日から10ヶ月ですが、それまでに相続税の申告書を提出する方(上記特例を使う方や確実に相続税がかかると見込まれる方)はお尋ねに関してはスルーしていただいて、申告書のみの提出で問題ありません。
というのは、お尋ねは相続税の申告書の簡易バージョンのようなものだからです。
では、申告書を提出しなくていい方(財産が基礎控除額以下で相続税がかからない方)はどうでしょうか。
お尋ねはあくまで税務署からのお願いであり、提出の義務はありません。
ですので、お尋ねを提出しなかったことによる罰則はありません。
ですが、本当に相続税がかからないかどうか確かめるため、もしくは、大丈夫だろうと高を括ってお尋ねを放置して数年後の税務調査で「相続税かかりますよ」となったときの、遅れたペナルティや隠した又は申告しなかったペナルティなど、あとで『申告義務があるかちゃんと確認しておけばよかった』と困らないためにも、お尋ねはちゃんと記入して提出すべきだと思います。
実際、このお尋ねに基づいて財産を数値化してみて「やっぱり基礎控除額以下だった」というケースも多々あります。
税務署は一部の情報で推測して送ってきているだけですから。
お尋ねの書き方は?
小休憩。 実家の中庭を利用して、狭い廊下を頑張って物干し竿を運ぶ息子です。
誰も頼んでいません。謎の行動です(笑)
基本は分かりやすく質問形式になっていますので、すらすら書ける部分もあるかと思います。
このお尋ねで「遺産総額+相続時精算課税の適用を受けて贈与した財産-債務、葬式費用(ここまででマイナスの場合は0)+3年以内に暦年贈与をした財産≦基礎控除額」であれば相続税の申告は必要ありません。
書くときにちょっとつまずくのが「基礎控除額」 と「遺産総額」 でしょうか。
【基礎控除額】
相続人がシンプルであれば基礎控除額は間違えようがありませんが、被相続人が再婚されていた場合は前の配偶者との間に子供がいないか、など戸籍調査が必要です。
【遺産総額】
遺産に関しては現預金はそのままの金額で計算に入れます。
ただし、注意したいのが名義預金!!これは税務署が調査に入った場合必ず調べてくるものであり、なおかつこれを指摘されたことで多額の追徴が発生するケースが多くあります!!
生前に贈与済みと思ったものが名義預金に該当して相続税の対象となった、というケースも本当に多いですので、そうならないよう、贈与の方法にはどうぞご注意ください。
そして、とりわけ難しいのが土地の評価です。
倍率方式と路線価方式があり、その土地の場所によって決まっています。
路線価方式の計算はややこしいですが、土地の形が悪くて使いにくい、などの要素を計算に盛り込むことで評価の金額を下げることが可能です。
そしてその土地が自分で使っている土地か、他人に貸している土地か、貸しているなら相場程度の賃料はとっているか、などこれもまたいろんな要素を考慮して評価が下がることがあります。
ですが、倍率方式や路線価方式もネットで調べればざっくりとは計算できると思いますので、まずここでは評価を下げる前のそのざっくりの金額で構わないと思います。
他にもさまざまな財産の種類がありますが、それぞれについて評価方法が定められています。
ざっくりと把握するだけなら土地以外の財産はなんとなくつかめると思います。
お尋ねに書く金額は、申告書ではないので正確な評価額でなくとも構いません。もちろん間違っていても罰則はありません。
要は「遺産総額に債務や贈与財産などを加味した金額(相続税の課税価格)が、細かい評価減や特例を適用する前ですら基礎控除額以下」ということが分かればいいのです。
そしてもし、お尋ねを記入していって「土地が多くて計算がややこしく、遺産総額が大きく変わりそうだ」もしくは「ざっくり計算しただけでもどうやらかかるかもしれない」もしくは「記入する前に既にかかりそうな予感…」がしたら、ぜひ税理士にご相談ください。
こうなってくるとざっくりではなく、きちんとした計算が必要です。
そして、もし申告をするとなった場合に大事なこと!!
申告をすることで受けられる有利な特例のうち、小規模宅地等の特例(一定の土地を評価減してくれる特例)と配偶者の税額軽減の特例(被相続人の配偶者が遺産を相続する場合、1億6,000万円までの金額か遺産の1/2の金額は相続税がかからない特例)に関しては使える方が多いと思いますが、もしこれらの特例の対象となる財産が未分割(誰がもらうか話し合いがまとまらない)の場合は特例は受けることができません。
ですが、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告書と一緒に提出して、実際に3年以内に誰がもらうか(分割)を決めれば、その分割した日から4ヶ月以内に更正の請求(相続税の還付の請求)ができますので、必ず 「申告期限後3年以内の分割見込書」 を提出するようにしましょう!
以上、簡単に書きましたがまだまだ細かいことは多いです。
よく分からない方は、税理士にご相談くださいね。すみません、2度目(笑)